トランクルーム儲からないは本当?原因と収益を出すための対策

- トランクルーム経営は月々の収入が小さく、満室まで時間がかかるため「儲からない」と感じやすい。
- 国内トランクルーム市場は2024年に約850億円規模で、2027年に1,000億円へ拡大が見込まれている。
- 利用料は月3,000円未満が最も多く、1室あたりの単価が低いのが収益の壁になる。
- 立地は都市部の住宅密集地が有利で、郊外や駐車場感覚での出店は失敗しやすい。
- 初期費用は最低でも200万〜300万円かかるため、回収期間を踏まえた収支計画が必須。
トランクルーム儲からないの結論

トランクルーム経営は「短期間で大儲け」はできないが、「立地を選び長く回せば安定する」ビジネスだ。
私が最初に屋外コンテナ型を始めたとき、正直、満室になるまでの1年半はヒヤヒヤしっぱなしだった。月数千円の契約が少しずつ積み上がる構造なので、最初の数字を見ると「これは儲からないのでは」と誰でも思う。
ただ、いったん埋まると退去が少ない。荷物を一度入れた人は、なかなか引っ越さない。だから後半になるほど収支は読みやすくなる。
トランクルーム経営は儲からない?
トランクルーム単体で見れば利回りは派手ではないが、市場そのものは縮小ではなく拡大している。

キュラーズの市場調査によると、国内トランクルーム市場は2024年に約850億円、2027年には1,000億円規模へ成長が見込まれている。
さらに2025年の調査では、全国のトランクルームは14,860店舗、延べ室数626,418室と、統計史上最多に達している。市場が伸びている事業を、頭から「儲からない」と切り捨てるのはもったいない。
問題は、市場が伸びているのに「自分の物件は埋まらない」というギャップだ。ここを埋められるかどうかで、儲かるか儲からないかが分かれる。
トランクルーム経営が儲からない傾向にある理由
儲からないと言われる理由は、大きく分けて4つに集約される。
月々の収入が少ない、節税効果が薄い、競合が出やすい、場所を選ぶ。この4つだ。どれも事実だが、対策できるものとできないものがある。
| 理由 | 内容 | 対策の余地 |
|---|---|---|
| 月々の収入が少ない | 1室の単価が低く積み上げ式 | △ 数で稼ぐ設計が必要 |
| 節税をしにくい | アパートのような評価減が小さい | × ほぼ改善できない |
| 競合が現れやすい | 参入障壁が低く真似されやすい | ○ 立地とサービスで差別化 |
| 場所を選ぶ | 都市部以外は需要が弱い | ○ 立地選定で回避できる |
月々の収入が少ない

トランクルームの月収が少ないのは、1室あたりの利用料そのものが安いからだ。
J-Net21が紹介する調査では、月額利用料は「3,000円未満」が最も多く、次いで「3,000円〜5,000円未満」「5,000円〜1万円未満」だった。
アパート1室の家賃と比べれば桁が違う。だからトランクルームは「室数を確保して合計で稼ぐ」発想が前提になる。10室・20室と数があってようやく事業として見えてくる。
私の屋外コンテナ型は20室規模だが、満室時でも月の売上はアパート1棟には及ばない。ここは正直に言っておきたい。期待値を上げすぎないことが大事。
節税をしにくい
トランクルームは、アパート経営のような大きな節税効果を期待できない。

住宅を建てると土地の固定資産税や相続税評価で優遇を受けられるが、トランクルームは「住宅」ではないため、その恩恵が小さい。屋外コンテナ型なら建物としての評価も限定的だ。
正直、ここは改善のしようがない。節税目的で土地活用を考えているなら、トランクルームは第一候補にならない。私はこの点だけははっきり「向かない」と伝えている。
競合が現れやすい
トランクルームは参入障壁が低いため、近所に後発の競合が出やすい。
特別な資格や大規模な建物が不要で、空き地にコンテナを置けば始められる。だから「あそこが埋まっているなら自分も」と真似されやすい。
前述のキュラーズ調査で店舗数が史上最多になっているのは、市場の魅力でもあり、競争の激化でもある。同じエリアに似た料金の箱が増えれば、当然取り合いになる。
差別化の余地はある。私は近隣に後発が出たとき、屋内型で空調と防犯カメラを前面に出し、料金は下げずに「保管品質」で勝負した。値下げ合戦に巻き込まれると体力勝負で終わる。
場所を選ぶ

トランクルームの需要は都市部の住宅密集地に偏っており、立地を外すと埋まらない。
キュラーズは市場拡大の背景として、都市部での居住スペースの縮小や収納スペース不足を挙げている。つまり「家が狭くて荷物が入りきらない人」が主な顧客だ。
逆に言えば、土地が広く家も広い郊外では需要が弱い。駐車場が余っているからとりあえずトランクルーム、という発想で郊外に出すと、まず苦戦する。
ちなみにJ-Net21掲載のアンケートでは、消費者の93.1%が「一度も利用したことがない」と回答している。利用経験者がまだ少ないからこそ、利用者がいる都市部に集中して出すのが鉄則だ。
トランクルーム経営で収益を出すには?
収益を出す鍵は「都市部の立地・細かい収支計画・ニーズに合ったサービス」の3点に尽きる。

裏を返せば、儲からない人はこの3つのどれかを飛ばしている。なんとなく空き地に箱を置いて、なんとなく募集して、埋まらないと嘆く。これが典型的な失敗パターンだ。
初期費用は最低でも200万〜300万円かかる。この回収を前提に逆算するところから始まる。
収支計画を細かく立てる
収支計画では「満室までの空室期間」を必ず織り込むことが何より重要だ。
トランクルームは開業直後から満室にはならない。私の経験では、屋外コンテナ型で安定稼働まで1年〜1年半かかった。この間も土地代や広告費は出ていく。
だから「満室なら利回り何%」だけ見て判断するのは危険だ。立ち上がり期の赤字をどこまで耐えられるか、その資金繰りまで含めて計画を組む。
| 項目 | 見落としがちな点 |
|---|---|
| 初期費用 | 最低200万〜300万円。コンテナ・整地・設置費 |
| 立ち上がり期間 | 満室まで1年以上かかる前提で資金を用意 |
| 広告宣伝費 | 募集を続けるための継続コスト |
| 稼働率 | 満室前提でなく現実的な想定で逆算 |
立地を見極め、経営戦略を立てる

立地は「半径2km以内に住宅が密集し、収納に困る世帯が多いか」で判断する。
ファミリー向けマンションが多い、収納の少ない単身向けアパートが多い、こうしたエリアは相性がいい。逆に戸建てばかりで庭付きの地域は弱い。
私は出店前に、平日と休日それぞれ現地を歩いて周辺の住戸タイプを自分の目で確認するようにしている。机上のデータだけでは見えない生活感が、需要のヒントになる。
屋外コンテナ型と屋内型では戦い方も違う。コンテナ型は安さと容量、屋内型は空調・清潔さ・防犯が武器になる。立地の客層に合わせて型を選ぶ。
ターゲットニーズに合ったサービスを用意する
利用者は「短期」と「長期」に分かれるため、どちらを取るかでサービス設計が変わる。

引っ越しや一時保管の短期ニーズと、趣味の道具やシーズン品を置き続ける長期ニーズ。収益が安定するのは後者だ。長く借りる人ほど退去しにくく、収入が読める。
長期利用を増やすには、湿気・防犯・出し入れのしやすさといった「安心して預け続けられる」要素が効く。私は屋内型で除湿対策と24時間アクセスを整えてから、平均契約期間が明確に伸びた。
